2013/07/07

“越前市(福井)ボードゲームの会” 6月ゲーム会(2013/06/30)

この日はこのタイトルから開始。

メビウスゲームズ取扱いタイトルの新作、“分ければ資源”を4人で。

手番では自分のプレイしたカードの数字分だけ木製コマの“ゴミ”をゴミ箱の外側に落とすことなく置ききることを目指します。

これはドイツゲームにおけるバランスゲームの系譜に新しい1ページか。

プレイするカードの選択にインタラクションなり駆け引きなりが発生するので、単なるパーティゲームで終わっていないところは好印象。

木製の“ゴミ”が思いの外滑りやすいという意見から摩擦係数がμで、φは浸透圧だ、いや空集合だと話が弾む午前10時w(アカデミック!)

単純なアイデアひとつからスタートしてこんな立派なひとつのゲームが出来上がるのだなー、と感心しきり。

面白いゲームですが、タイトルと内容には大きな齟齬がありますね(全然分けてねえ!)。

今話題の“人狼”の一夜限りバージョン“ワンナイト人狼”7人戦。

“人狼”をばっさりとスリム化したことでプレイアビリティは大きく向上したものの、オリジナルの持つ“濃さ”は当然薄まっており、この辺りの印象で好き嫌いが分かれるか。

ドット絵メインのアートワークとしっかりとした厚みのあるタイルで、コンポーネントには実に魅力があり、一度手にすると所有欲を刺激されますね。

連戦して二戦とも村人側が勝利。ちょっと人狼側が不利な気もしますがこの辺はどうでしょうか。

しかし入門編“人狼”と捉えるとこれ以上の適者はいないのではないかとも思う。

見事SdJ候補の一角に入った“クウィックス”。

シンプルなダイスロールゲームで、間口の広さ、新規参入のハードルの低さでは他のSdJ候補2作(“花火”、“アウグストゥス”)に対してリードか。

ではゲームとしての深みはどうか、というと“まあそれほどでもない”、というのが実直な感想ですが、マスをマークするかしないかというだけの判断ながらそのもたらすジレンマはしっかり存在しており、SdJ候補にもなるほど納得。いや悪くないですね、このゲーム。

そのメカニクスから“ゲームがいつ終わるのか”について場の状況を鑑みつつ終始注意を払う必要があります。プレイヤーの一挙手一投足がゲームの収束に直截的に影響するタイプで、その手のメカニクスはドイツゲームにおいて少なくないのですが、本作でのその点におけるダイナミズムは見事で僕は本作のその点にもっとも魅了されました。

プレイ後の印象も良く、これが栄えあるSdJを獲っても不思議ではないんじゃないですかね。

こちらもメビウス取扱いタイトルの新作、“チーズがいっぱい”。

うーむ、あまり言いたいことが見つからない凡作?。

シンプルで分かりやすく、デザイナーの意図も分かるのですが、楽しむための工夫が不足しているのでは。

ただゲームとして破綻している、ということはなくて、こじんまりと上手く纏まっているとは思うので、このデザイナーの自作にはまた手を出してみたいという思いもあります。

気を取り直して、午後はこのタイトルから。“地獄の釜”を5人で。

シンプルな一種の競り&チキンレースながらコンポーネントやアートワークの後押しもあって、このプレイ感は新鮮で要注目。

穿った見方ですが、労働者階級に出資して濡れ手で粟を目論む資本者階級の構図は現代資本主義経済の縮図そのものとも言えるかとw

自棄にゴージャスなお金チップのせいか、値段が高めなのがやや残念ですが、ツォッホのこだわり、その心意気は買いたいと思います。

実に良質なパーティゲームで、これは素晴らしい新作の登場ではないかと。

ライトなプレイヤーが多数参加するようなオープンゲーム会に持ち込んでも人気者になりそうな予感。

負け抜けのない“人狼”、“レジスタンス”の後継作、“同:アヴァロン”をついに初プレイ。8人。

評判通りの面白さで、巷間での高い評価も頷けます。

多くの参加者が、今回が初プレイということもあって特に拡張ルールは採用せず、いわゆる役職はマーリンと暗殺者のみでのセッションでしたが、逆にそれが良かったか、評判はおおむね上々。

この手のゲームはいろんな意味でバランスが命だと思ってますが、本作はその辺りも抜かりはなく、完成度は抜群に高いと思われました。

2戦連戦となりましたがどちらも正義側の勝利に。

好みは分かれるかもしれませんが、ここのパブリッシャーはやはり要注目。

ステファン・ドーラによる90年代の王道ドイツゲーム“モンテカルロの夜”。4人。

競りと株価操作で最終的に持ち金で勝者を決定します。

テキスト皆無、骨組みだけで構成されたような無駄のないデザインが実にきっぱりとしていて期待しましたが、自分には淡泊すぎる印象で、その切れ味を堪能するまでには至らず、面白かった!、という感想はなかったというのが正直なところ。

収束に向けた盛り上がりなども用意されておらず、また本作ならではの注目したいメカニクスにも特に出会えず、ゼロ年代以降のドイツゲームに慣れ親しんだ僕のようなフリークは、舌が肥えていることもあって、まあ敢えて本作をプレイする意味は今のところ見い出せていません。

しかしこのような機能性重視のシステムがメインのゲームはセッションによって大きく印象が異なることが(少なくとも自分の場合)少なくないので、ルールの再読などに準備をかけて、機会があればまた立卓してみたいと思っています。

最近のゲーム会で個人的に定番化しつつあるとも言えそうな“ブルッヘ”。これで3回目のプレイ。4人。

運要素がやや強いこと、そして他者への(突発的ともとれる)アタックは、特にフェルトブランドを期待して参加するとその点においてやや意表を突かれるかもしれません。

僕自身は適度ゲームにアドバンスドストラテジの味付けを少々、というのが本作のイメージで、ガチガチのマネジメントを楽しむには不向き、思わぬ展開、成り行きのままならなさ、その点を割り切った広い心で許容できるかどうかがカギではないかとも思います。

どうも人物が弱いという感覚が相変わらず拭えず、この日も金策&運河プレイに。

ダイスロールや山札の運に味方されたことと、経験の差から大勝しました。

悪いゲームではないですがどうも中途半端な印象も確かにあります。この軽いような重いような不思議な重量感はハンスの編集方針の結果でしょうか。

いずれにせよ、まあもう少しやりこんでみたいところです。果たして人物プレイで勝てるかどうかが今後の焦点か。




NSVからの新作“ならず者”。4人。

シャハトの秀作、“コール・トゥ・グローリー”をどうしても引合いに出したくなりますが、あのタイトルに株的な要素を足した感じといえばそれほど遠くもないかな、と。

初めてのプレイではシステムに馴染めていないせいもあって、序盤では特に何を狙ってプレイしていけばいいのか、その焦点がぼやけてしまうかもしれませんが、要はマジョリティを確保できるキャラクターをできるだけ多く刑務所に送り込むことを目指す、とシンプルに割り切ってプレイするだけで、本作の魅力は感じ取れるのではないでしょうか。

クラシックで高い完成度を誇る“コール~”の陰は大きく、どうしても比較してしまいますが、本作ならではの妙味もあり、プレイする価値はあるかと。私は購入することに決めました。(が軍配は“コール~”に上げますがねw まああのタイトルは出来すぎですw)

場に3列10枚づつのカードを並べるのがやや面倒というのはあるかな。



本作で〆ました。“バンジー”を5人で。

ペナルティのないラッキーナンバーや捨て山からのドローもできるゴーアウト系。

運要素は高めで、ゲーマーがハンドマネジメントを楽しむには役不足ですが、当初から本作のターゲットはそんなフリークではなく、老若男女がリビングで談笑しつつプレイできる軽めのカードゲームとして見ればその役割は十分果たしているかと。

バンジーカードを上手く活かせず沈みましたが、それもまた本作の魅力でしょう。

トランプの“ヤニブ”のアレンジともとれますね。


以上にて会場をあとに。

今回の参加者は13名とまずまずの盛況ぶりでした。参加していただいたみなさま、お疲れ様でした。

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