2013/09/19

越前市(福井)ボードゲームの会 9月ゲーム会('13/09/15)

毎月恒例のゲーム会の参加レポートです。

台風の接近に伴い、風雨が強まる中、当初の予定どおり定刻の午前9時に会場入りし、強くなったり弱くなったりする雨の中、この日も終日ボードゲームを楽しみました。

まずは4人で“ジャッカル”から開始。

各自が8面体ダイス3つを持ってゲーム開始。
手番にはダイス3つを振り、任意の数のダイスを場に並べられた得点となるカードの上に、ルールに則って配置していきます。

バッティングした場合はカードの獲得をめぐって再びのダイスロール勝負が発生したり、天国にも地獄にもなりうる“ハゲタカの谷”のアイデアは良く出来ており、運要素はかなり高いですが、判断を下すうえでの悩ましさ、ジレンマもあって、トータルでは良質なダイスロールゲームという印象。

“ベガス”の完成度の高さには一歩及びませんが、30分で終わる良質な適度ゲームとしてリプレイバリューもあるかと。

国産同人タイトル“エレファントパーク”を4人で。

各自が持つ12枚のカードをまずはよくシャッフルし、そのうちの半分6枚を手札とし、手番には任意の場所に1枚(場合によっては2枚)プレイしていきます。

1や6のカードがプレイされた場合、次は裏向きでカードをプレイするというアイデアが上手くこのゲームの面白さを引き立てており、他のプレイヤーの思惑を読んでのハンドマネジメントにはなかなかの悩ましさがありました。

国産の同人ゲームによくあるタイプのシンプルな心理戦から一歩前に進んだゲーム性が本作の妙味で、同卓の面々の印象も良かった模様。

参加するプレイヤーの数が本作の面白さに少なくない影響を及ぼす印象があり、今のところ4人が最適ではないかと思っていますが、5人でのセッションも一度経験してみたいものです。

タンサンファブリークの“ファブフィブ”をようやく初プレイ。5人。

ブラフ系ドイツゲームの佳作カードゲームが日本オリジナルのアートワークを装って再版された、というのが本作に対する僕の理解です。

ブラフなのかそうでないのか、その予想をするうえでの手掛りが絶妙というか、こんなメカニクスよく考えつくなー、と感心。

ブラフゲームは個人的にあまり好みではないので、特に希望者がいないのであれば、これからも進んで卓を立てることは少ないかもしれませんが、特筆に値する実に秀逸なアートワークの完成度の高さもあって、テーブルゲーム未経験者に対するアピール力は十分魅力的。

トータルなアートワークの完成度の高さから所有しておきたい欲求も。

ジャック・ゼメの、これも一種のバランスゲームと言っていいと思われる“ハムスターロール”。

先日の“TRICKPLAY”訪問の際、購入したタイトルのひとつを早速持ち込みました。

手番には少しでも進行方向に進むようにブロックをリール内のスペースに配置していきます。最初にすべての自分のブロックを置き切ったプレイヤーの勝利。

3人でのセッションで、最初は4人目の分のブロックは使わないルールでやってみたのですが、これだとバランスがぬるく、さっくりと置き切ったプレイヤーが出てあっさりとゲームが終了してしまいました。

これで終わるのは勿体ないと引き続き4人目のブロックを均等に3人に分配してから再戦。

難易度バランス的にはこれがちょうど良く、何をいかに配置するか、悩ましい手番の連続となり、本作の醍醐味は十分味わえたかと。

こんなゲームを思いつくデザイナー、ゼメにはリスペクト。

フリークを唸らせるこだわりのタイトルの数々で固定ファンも多い、遊星からのフリーキックの“オートマチック・フロンティア”を久しぶりに立卓。

困難の連続する火星での開拓をテーマとするタイトルで、短期的な将来の展望が望める状況でのアクションプロットがシステムのメイン。

短期的な未来は確立された情報として平等に開示されているので、それにそったアクションの選択、プロットを行っていけば、展開を支配することは理論上可能なのですが、プロセスという仕掛けが曲者で、この進捗の度合い次第では自動的にイベントが連続することもあり、当初の予定どおり物事が進むことは実は稀で、また設定された困難なイベントの数々がピリリとした辛口のバランスであることもあって、参加するプレイヤーの悶絶する光景を必ず目の当りにすることができる、国産同人では珍しいくらいハードなゲーム。

久しぶりのプレイでしたが、“あれ、こんなに厳しかったっけ?”と思えるほどのハードな展開で、点数を獲りにいく余裕もほとんどなく(広告なんてアクション、本当にできるの?w)、最後には攻撃力8の敵対的生物の前に、3人中2人のプレイヤーのロボットが美しくも宇宙の塵となりました。

やればやるほど上達することが窺われるテクニカルなタイトルで、なんというかこのハードなバランスデザインが作者からの挑戦のようにも感じ取れ、リプレイ欲求を刺激されます。

2点ほど細かい点でルール解釈をめぐり疑問が残ったのでここはいずれはっきりとさせておきたい。

米国の新進のパブリッシャー、NEVERMORE GAMESからの出たばかりの新作、“Mars Needs Mechanichs”。

メカニクスに価格変動予測とセットコレクションを積んだ、オーソドックスなシステム。そこに地味目の(少なくとも初回プレイ推奨のセットだとそうでした)特殊効果カードが4枚という構成。

シンプルで色気のない、質実剛健な作風はこの手の価格変動ゲームにはマッチしているというのが僕の評価で、淡泊すぎてアピールしてこないと感じるプレイヤーも少なくないかもしれませんが、この完結した世界にこそ魅力があるのだと私などは思います。

なるべく安く買って、なるべく高く売る、という分かりやすい原理を如何に実行するか、それだけの話なのですが、参加プレイヤー各自の思惑と特殊効果の助長もあって、期待していた未来が訪れるかどうか、その保証はないゲーム(だからこそ、そして、そうでないとゲームは勿論面白くはなりませんが)。

システムの主張が強いため、魅力的な背景設定、フレーバーを楽しむ余裕がやや圧迫されているようで、そこは残念な点か(しかしそれは贅沢というものでしょうね)。

オインクゲームズ、“藪の中”を4人で。

僕の中の理想のゲームのイメージ、モデルとは幾分ズレているオインクゲームズの代表作。
ただズレているから自分が楽しめないか、というとそうではなく、むしろやってて面白いのだから、じゃあこれはゲームじゃないんだ、何か別の何かなのだ、と(いくらか天邪鬼的に)結論づけようとも思うのですが、いやしかしこれはゲームとしかいいようがない、という決着。

“疑心暗鬼”を発生させる格好のジェネレータと捉えることも可能でしょうか。となるとこれはゲームでありながらまた一種の装置でもあるかと。

ただ結果として勝敗を決定するということは本作も紛れもなくゲームであり、勝利のための効率を考えると他者の動向に左右されずに我が道を突き進むことが正しい方向であるようにも思われ、となるとシステムなりギミックなりに一種の脆弱性も孕んでいるようで、そこにはマイナス評価か。

まあしかしこの間口の広さというか、普段テーブルゲームなんぞに縁のない人に対する訴求力、そしてベテランのフリークをも立ち止まらせる奇妙な味には強烈なオリジナリティがあり、本作の最大の魅力もそこにあると考えます。この強烈なまでの“奇妙な味”から抜け出せない僕はこれからもオインクゲームズの新作を追い続けるでしょう。

しかし“藪の中”というタイトルはいろんな意味で立派すぎる。もっと不条理極まりない世界を期待してしまうから。ただ本作のタイトルとして見事にはまってはいるのだけれど。

ギミックの面白さ、“THIN ICE”。

水に濡れたボールをティッシュの上に載せていき、紙が破れた人の負け。

分かりやすいです。楽しいです。楽しんで下さい。以上。というゲームw

ちょっと後片付けが面倒くさいのが難。さあみんなで童心に帰ろうぜ!

アンドレアス・シュテディンクの新作、“ファイブ・ポインツ”で〆ました。

タイルの上にキューブを配置していくシンプルなエリア・マジョリティが骨組み。そこに建物や操作タイルなど各種特殊能力で肉付け。

特殊能力は基本的にはシンプルなものばかりだし、キューブは一手番に一個だけ配置できるので大きな一発逆転劇は起きず、各所でジワジワとした駆引きが続く中での虎視眈眈とした熱い心理戦の楽しめる陣取り。

終了条件が複数あり、厳密に勝利を目指すならそのいずれにも注意を払わなければいけない点においてはプレイヤーに対する負担がやや大きいかも。がメインがシンプルなせいもあってトゥーマッチ感はない。

タイル上のアイコンや原文ルールブックにやや難ありではなかろうか。
内容上同じ事を別の単語、文章で表記しているのでは?と疑われる箇所があり、ここは要確認かな。この辺りの疑問点を一度クリアにした上で、再戦したいところ。完成度は今一歩という感もあるけれど、リプレイバリューはあるというのが僕の印象。こういう派手さのない、地味ながら、ジワジワと進む機能的な陣取りは嫌いじゃない。



こうしてこの日も新旧様々なテーブルゲームを一日たっぷりと楽しみました。

悪天候の中、足を運んでいただいた11名の参加者各位に感謝。またのお越しをお待ちしております。

2013/09/12

夏休みTRICKPLAY訪問記 “後編:店内ゲームプレイ編”

店内を一周したあと、早速店長とサシでボードゲームを楽しみました。

折角なのでここでしかプレイできそうにない、私も周りも未所持のゲームを中心にタイトルを選んだつもりです。

セレクタの大人向けブランド、Selecta NOBLEからの“Plan Quadrat”というゲームから開始。

2人用の完全情報型、アブストラクトゲームです。

手番には①壁を1枚配置(義務)し、②望むなら既に配置済みの壁をスライド(任意)させます。

完全に壁で囲まれたエリアができたら自分の領地となり、自コマを配置、マスの数だけ得点となります。

シンプルで明快なルールながら、うっかりしているとポロッと相手に領地を作られてしまう、油断のならない展開に注意をはらう必要のある、ピリッとした辛口のゲーム。

セレクタというとほとんど子供向けゲームばかり、というイメージがありましたが、このような個別のブランドを立てて、大人向けのタイトルも発表していたんですね。(ちなみにクレジットを確認したところ2005年製であることが分りました。)

フル木製のコンポーネントがまた素晴らしい出来で、セッション後、箱に用具が収納された本体はずっしりとした重みがあり、NOBLEの名に恥じない高級感を感じ取ることができました。

つづいてかねてよりプレイを夢見ていたアレックス・ランドルフの2人用アブストラクト、“トゥイクスト”を念願叶って初プレイ。

手番では任意のポイントにペグを刺し、桂馬飛びの位置にあるペグ同士であればブリッジで接続することができます。

こうしてラインを作っていき、相手よりも早く対辺を結ぶことができればゲームに勝利します。

評価の高さも納得の素晴らしい完成度に早速惚れ込んでしまいました。

思考のプロセスが囲碁に近いことが想像される、一手のミスが敗北につながるシビアで良質な頭脳戦で、経験も大きく勝敗に影響してくるでしょう。(逆に言えば、やればやるほど、研究すればするほど強くなりそうな奥の深さを感じさせます。)

初プレイだった私は序盤で投了させられることが2、3度続き、その都度頭を下げての再戦という情景。(そしてもちろん勝つことはありませんでしたw)

クラシックという言葉はこういうタイトルのためにあるのだな、と。打ち方について勉強したい欲求もあり、また先手でも後手でも十分に戦い方があるのであればこれは必携のタイトルではないかと思いました。

発売されたばかりの新作、“通路”の海バージョン、“海道”。

“通路”との大きな違いは①コマ同士の擦れ違いが可能、②盤上に障害物“龍”が存在、ダイスロールの結果で移動、の二点。

①の変更によりプレイヤー同士の衝突事故はなくなりましたが、プレイヤー側にこれといった防衛手段のない“龍”が乱数により自由にボード上を闊歩することで突然の脱落という可能性も出てきた本作は、とにかく“龍”から逃れることを優先視したい、パーティゲーム的な色合いが強くなったような気がしました。

自分の好みでいえばシンプルながら引き締まった前作“通路”の方が好きですが、コンポーネント全体に統一感のある、和風の凝ったアートワークには目を惹きつけられるものがあります。

ギュンター・ブルクハルトの2人用、“銅鍋屋”。

有名なタイトルですが、なかなか縁がなく(私自身未所有です)、プレイする機会に恵まれなかった本作もこの日初めて念願のプレイとなりました。

ブルクハルトの諸作にてよく採用されている、お馴染みの手法で外周に沿ってコマを進め、調合する材料を集めていくセットコレクション。集めたカードは重ねておき、確認はできないので記憶要素もあり。

シンプルで分かりやすく、また相手プレイヤーとの駆け引きもしっかりある、良質な適度ゲーで、セットコレクションが好きな自分の性格も手伝って、非常に好印象。

相手のカードを廃棄させたり、手番が増える特殊効果を狙ってゲームを進めたのが功を奏したのか、心地よく快勝。

長い間絶版状態が続き、入手が難しかった本作ですが、今年のエッセンに合わせて4人まで参加できる仕様となったリメイクが出版される模様で、私はこちらの購入を前向きに検討中です。

TRICKPLAYのウェブサイト、ホームページでも採用されている2人用アクション、“FASTRACK”。

ここに来たからにはやらないと、という由来不明の義務感に半ば駆られて立卓w

木製の円形ディスクをゴムではじき、中央のスリットから相手陣内に押し込んでいきます。最初に自分のフィールドからコマをすべてなくした(相手陣内に10個全てのディスクが存在)ほうが勝ち。

2人限定ながら5分で終わるフィラーとして優秀で、またゲーム会開始時のウォーミングアップとしての選択肢も増えたかな、という印象。

最初にちょっと練習してみたのですが物の見事に全く入ることがなく(笑)、手先の不器用さを再確認した次第。(当然実戦でも店長にボコボコにされましたw)

思っていたよりも面白く、こういうのは定番として広く普及してもおかしくはないなあ、と。

ガチ2人対戦の世界もあるかな、どうかなw

見た目のインパクトが大きいギミック系、“THIN ICE”。

手番にはコンポーネントの専用ハサミを使って下の水で濡れたボールをすくい、上のペーパーに載せていきます。
手番中に紙が破れたほうが負け。金魚すくいですw

ゲームの一部に水が使われる“水ゲー”。

次第に重みを増し、じわじわと撓んでいく紙がスリルを醸し出していて分かりやすく、子供にもすぐに気に入ってもらえそう。

プレイスペース広島にて最初に国内供給が始まったそうで、店長が所有されているのはそのときの版のようですが、現在TRICKPLAY店頭にて新版を買い求めることができます。

パーティゲームとして十分よくできています。

ギミック系が続きます。“ハムスターロール”。

手番には自分のコマを一個指定されている3つの中のいずれかのスペースに配置する義務があります。
手番中に崩れて黄色のロールの外側に落下したコマは自分のコマとして引き取ります。
最初に自分のコマをすべて置ききったほうが勝ち。

分かりやすく直感的なルール、ツォッホならではの美しくしっかりとした木製コンポーネント、ゆらゆらとしたコンポーネントの動き、見た目のインパクトなどが素晴らしく、テーブルゲームならではのエンタテイメント、楽しさを提供してくれる秀逸な一作。

すっかり気に入ってしまい、SDJの“ヴィラ・パレッティ”よりはこちらを推したいくらい。

作者はジャック・ゼメ。実はあまりいい印象のなかった僕の中のゼメですが、本作をもって上方修正。もう少し追いかけてみます(笑)。

3人でバランスゲームの新作、“KippX”。

手番には地に着いていない二か所のシーソー部分のいずれかに任意の数の自分のブロックを配置していきます。重みでバランスが変化し、配置に選んだブリッジが着地したら強制的に手番は終了。またいずれかのブロックが崩れてしまうとその場合もそれらを自分のブロックとして引き取ったうえで手番終了となります。
最初に自分のブロックを置ききったプレイヤーの勝利。

2人専用だったシーソーゲームの“キピット”がこれで4人までプレイできるようになりました。

木製のコンポーネントがしっかり仕上がっていることもあって、本作も大人がプレイしても楽しめるバランスゲームとして合格しているかと。やはりこの手のゲームはコンポーネントの出来が重要なのかな。

発売されたばかり(国内流通未定)の新作カードゲーム、“ローマンズ・ゴー・ホーム”。

特殊能力のある手札をラウンド開始時にプロットして、これまた特殊能力のある場札である得点カードの獲得を目指します。

バッティング判定もあり、ざっくり言えばテキストのある“はげたかの餌食”というかそこから一歩進んだフォー・ゲーマー版というか。

珍妙で独特の存在感があるアートワークはあまり好みではありませんが、システムの完成度は高く、デザイナーのゲームデザインに向かうセンスの良さ、理解の深さは伝わってきて、これまた良質なカードゲームだな、と。

これぞプロット!と主張せんまでの骨太なタイトルで、まあ間口の広さでいえば名作ハゲタカには及びませんがリプレイバリューは十分で、所有欲を刺激されました。欲しい!

巨匠クラウス・トイバーによるギミック系、“チップ・チップ・フラー”を3人で。

手番にはコンポーネントのカタパルトを使い、ディスク(昔懐かしフロッピーディスク?)をボード上に投げ込んでいきます。
落ちたディスクを各自のロボットが収拾すべく移動していくのですが、このロボットそれぞれに六面体ダイスが仕込まれており、移動の際それぞれのマスを仕切るラインに出っ張りがあることでダイスの出目がランダムに変化するというのがなんとも面白いギミック。

トイバーのアイデア溢れる子供向けギミックゲームで、大人が真剣にやるには不向きですが、ドイツゲームの豊饒な世界の一端を垣間見ることができました。

油で薄汚れたロボットの加工などコンポーネントの出来も抜かりはなく、流石はドイツゲームだな、と。

プレイ後すぐに欲しくなってしまいましたが現在絶版入手困難なようで残念。(また機会があれば、と気長に待つことにします。)



この後持参した国産同人ゲーム“キャットファーザー”をプレイ。

まだまだプレイしたい珍しいゲームは沢山あったのですが、帰りの電車の時刻も近づいており、店長をはじめお相手していただいた方に感謝しつつ、ここで残念ながら帰宅の途となりました。

そして帰宅。店頭にて購入したタイトルは下の写真のとおり。

これらのタイトルは今後の“越前市(福井)ボードゲームの会”に持ち込む予定ですのでお楽しみに。

それにしても楽しい時間が過ごせました。また行きたい、大阪、神戸、TRICKPLAY!

2013/09/08

夏休みTRICKPLAY訪問記 “前篇:店内紹介編”

私が主催しているオープンゲーム会、“越前市(福井)ボードゲームの会”に古くから遠方より足を運んで時折参加していただいていた関西在住のテーブルゲームファンのSeekerさんがこの度神戸市三ノ宮に神戸では初めてとなるボードゲームショップ&プレイスペース“TRICKPLAY”(http://trickplay.net/index.html)を始められたと聴き、夏休みを利用してお邪魔してきました。

猛暑の続いた今年の夏でしたが9月になるとその暑さも和らぎ、この日も比較的すごしやすい気温の中での遠出となりました。

こちらが到着した時の写真。私の地元、越前市(旧武生市)からJRで乗り継いで最寄駅三ノ宮まで約2時間、駅からは徒歩5分の距離でした。

1000種類以上のゲームがすぐにプレイできるというのはすごいですね。国内規模でも有数のストックの数ではないでしょうか。

久しぶりの対面ながら挨拶や雑談もそこそこに、出発前に地元の洋菓子店にて買い求めたお土産をお渡ししたのち、早速許可をいただいて店内の気になる箇所の写真撮影へと入りました。

こちらは一階レジと対面になるスペースにて展示されていた販売分のゲーム。メビウスゲームズやホビージャパン、テンデイズゲームズから仕入れた最近の人気タイトル、そして店長の個人的愛好タイトルが並びます。

右側の棚にはここでしか入手できないゲームもありますね。

レジ右側の棚、手前側の最下段です。ハバをメインにギミックが凝った子供向けタイトルが並びます。

つづいてその上段部分。見切れていますが人気のデッキビルド“ドミニオン”はもっとも目につきやすい高さに。その上にお絵かき系が並んでいます。“落書きプラネット”はブラックライトを使う国産同人のお絵かきゲーム。

その奥側。クニツィアなどの最近の話題作も手に取りやすい位置に。

最上段のアップ。国産玩具系が目につきます。

その下。上段左から3つ目は珍しいクラマーの“アルケミスト”。下段左のふたつはコンポーネントに石を使う“石ゲー”、その3つ右には1962年に米国3M社から出版されている“Oh Wah Ree”(終わり?)というタイトル。もうこれだけでレアタイトルがズラリという感じ。

ちなみに“ベガス”のとなりは“エイジオブエンパイア”の出たばかりと思われる拡張。

さらに下。珍しいタイトルが並びます。最下段左は吹き戻しを使うハバタイトル。

レジ右側の棚の中央部。新旧ギミック系が並びます。“THIN ICE”は最新版が店頭でも販売されていました。こちらは店長所有の旧版。コスモスの赤い箱はインカ夫妻のタイトルだったかと。

最上段へ目を移すとこんな光景が。“ケイブマンカーリング”、“ブリッとでるワン”は分かりますがそのとなりの筒状のボックスのタイトルは一体? クワリ?じゃないよねw

その右、つまり手前側。“PIX”の海外初版が。立方体のボックスが目を惹きます。

今度はレジ左側のコーナーへ。2人用ゲームや小箱がぎっしり。上段左側の“T-REX”はハンスのトリックテイク。

その最上段。なぜか二つある“トゥイクスト”が目立ちます。キピットは2人用のバランスゲーム。“セイ・エニシング”はコミュニケーションの佳作ですがまだカードの日本語化はされていないとのこと。

レジ左側コーナーの下側です。ハバや多人数でできる比較的小さい箱のものが並んでいます。一番下の辞書は“たほいや”のためのもの。

レジサイドに積んであったタイトル。まだ国内流通の始まっていない話題作も遊べます。

あやしいゲームも目立つところにデーンと並べてありました。“おっぱい神経衰弱”と同じメーカーのもののようです。

一階最後の棚、プレイスペース奥のコーナーです。

昨年のエッセンタイトルや中重量級がずらり。“プラネット・スチーム”新版がすでに。

その下側。コスモス12インチの正方形箱コーナー。国内流通のない珍しいタイトルもちらほら。

一階プレイスペースの風景。おしゃれで清潔な店内です。

奥側から入口方向を見たところ。

ホワイトボードにはここ一か月分のイベントスケジュールが。

プレイ卓に座り、レジ方向を見たところ。左側手前が販売分のスペースになります。

それでは二階へと移動します。

二階への階段の踊り場にもゲーム棚がふたつありました。これはひとつ目の上側。セレクタの子供向けタイトル、去年のエッセンの話題作の“ツイーーート”も。

その下側。関西の同人メーカー高天原の“伊能大図”の海外版“Kaigan”(ややこしいw)など珍しいタイトルが。

踊り場ふたつ目の棚、最上段。ラベンスバーガーの大箱と絶版の“ヴィジョナリー”。

その下側。砂時計を使った“ウィッティ・クロノス”、SNSがテーマの“イイネ!”、遊星からのフリーキックの同人タイトルなど。

ここから二階です。手前から奥へと順番に紹介します。

まずはフェルトやワレスがずらり。“蒸気の時代”の拡張マップも並んでいます。そして“ゴッズ・プレイグラウンド”の4人用というレアタイトルが!

やや重めのゲーマーズゲームのコーナー。左側上段の“リサイクル”はブラジルから届けられた珍しいタイトル。出来も良いそうです。実はルール和訳も公開されています。

面白そうなゲーマーズゲームたち。個人的にはフラゴーの2タイトルに目を惹かれます。

二階の最奥部。フリーゼの緑の箱は一番奥にありました。国産同人デッキビルド“トレインズ”もありますね。

二階プレイスペースも紹介します。こちらは階段部分を照らす瀟洒な照明。

二階にもこのように何卓ものゲームプレイ用テーブルが設けられています。この時は照明の電源がオフでしたのでやや暗いですね。

窓からの採光も落ち着いていてお洒落な統一感のあるプレイスペースでした。

最後にもう一度、Seekerさんといえばハバということでハバコーナーばかりを写真に収めましたのでご紹介。

有名な“飴ちゃん工場”、“マーブルすくい”もしっかり置いてありました。一番右はふいごを使う海賊のゲームだったかと。

ここで注目は“Ball der Prinzessin”というタイトル。なんと王女の女の子のスカートをめくりパンツの色を当てるという禁断のタイトル。ギミックに鏡が使われていますからね、そこからはどんなゲームなのか想像にお任せします。店長も“ハバでこんなのいいのかな”みたいなことを仰ってましたw(いやまあそんな過激なゲームじゃないですけどw)

珍しいハバの黄色じゃない箱、“ドナーヴェッター”があります。私も(Seekerさんにゲーム会に持ち込んでいただいて)プレイ経験ありますが天気をテーマにしたそれなりに面白いゲームだった気がします。

すごろくやでも取り扱われているタイトルも並べられています。店長曰く“たまにすごい当たりがあるからハバはやめられないんですよ”とのことでした。


ということで店内をざっと一周してみました。

私も初めて目にするような珍しいタイトルがたっぷりと並べられており、興奮しましたw

二階まであるプレイスペースにはプレイ用のテーブルがこれまたたっぷりと用意されており、多様なニーズに対応できる幅の広い大量の貸し出しタイトルと併せて、じっくりとお気に入りのゲームがプレイできる、理想的な空間が神戸に出現したというのがざっくりとした印象です。

今までテーブルゲームに触れたことのない人も興味を覚えられたようでしたら是非一度足を運ばれることをおすすめいたします。店長の親しみやすいガイダンスのもと、きっと今まで知らなかった未知のエンタテイメントの楽しさに時間を忘れることでしょう。

(それでは後編:プレイゲームセッションメモへとつづく…)