2013/11/17

越前市(福井)ボードゲームの会 11月ゲーム会('13/11/10)

秋のゲームマーケットから一週間、地元で開催しているオープンゲーム会に参加してプレイしたゲームについての感想、雑感などをこちらにて纏めておきます。

まずはGM13秋新作、大気圏内ゲームズ“モテねば。”から開始。4人。

軟派なテーマ、フレーバーとド硬派なシステム。

明快な個々のメカニクスからなる、全体的にシステムはシンプルなエリアマジョリティのピュアユーロ。

運要素は抑えられているものの、都合3回行われる巾着袋からのキューブの支給と特殊カードのドローによりゲームに“ゆらぎ”がもたらされていることからガチガチのアブストラクトからは回避しているという印象。

数字が世界を支配するような、硬派なエリアマジョリティで、僕のようなフリークでも(逆に)このテーマでなければ、そのハードな世界に没頭するのは厳しかったかな、という思いもw(そして当然下世話なセッショントークに華が咲き、中和されるわけですw このテーマなのは作者の狙い?w)

めまぐるしく変化していった各キューブの強さからは本作のもつダイナミズムも十分に堪能できました。

フリーク同士のプレイで長考しがち、結局2時間弱かかりましたが、それだけの価値のある素晴らしい完成度の一品。高校時代のそれぞれの思い出に浸って下さいw Positive

これはまさに羊の皮を被った狼。

国内メーカーにより再版なったコンラッドの“ナゲッツ”。3人。

こちらも運要素なしのエリアマジョリティですがマジョリティの優劣を競うタイルはすべて裏向きで配置するので、思考の限界が最初から低めに設定されており、ガチ度は“モテねば。”よりは下。

手番には①タイルを配置するか、②柵を2本配置するか、の二択なのでシステムは非常にシンプルなユーロ。

得点となるナゲッツには点数にバラツキがあり、その周辺へのタイルの配置や柵の配置には当然ながらプレイヤーの意志が色濃く反映されるわけで、“盤上でのプレイヤー同士の会話”がセッションの中心になるデザイン。そこが楽しめるかどうかが本作への各自の印象に大きく関わってくるでしょう。

初心者にも参入しやすいよう、間口が大きく用意された、分かりやすくシンプル極まりないシステムとポップなタンサンファブリークのアートワークの相性は抜群で、このリメイクは成功。Positive

会場でも早々と売り切れていたGM13秋新作ユニアス“ワリトリペンギン”。

ゲームの内容は…あ、ディグダグⅡです。ありがとうございました。

プロットフェイズで2枚のカードによりアクション(①移動か②氷にひびを入れる)を選択した後、一斉にオープンしスタPから順にアクションを処理。これを2アクション分、つまり2週すると1ラウンド終了というシンプルなもの。

運要素なしの氷上での生き残り合戦で、アイデアやシステムには面白いと思えましたが、このセッションがたまたまなのか、中央で割れ目が出来ていきなり収束してしまい、ゲームとしての面白さを堪能できるまでには至らず。Negative。リプレイして再検討してみたいものです。

大手老舗パブリッシャー、コスモスからの巨匠クラマー&キースリング“ノーティカス”。4人。

今年のエッセン新作です。

“プエルトリコ”に代表されるバリアブル・アクション・フェイズ(つまり誰かが選択したアクションを、そのプレイヤーから順に全員が実行する)がシステムのコアに採用された、中量級ピュアユーロ。

派手さのない、地味ながら実に味わい深い、これぞユーロという一作。

勝敗の肝は、先述のアクション選択において、相対的に自分が如何にリードできるか、という視点からのアクション選択になるかと。まあパスもペナルティを回避できる(このアイデア大好きw)重要な選択肢のひとつではあるのですが…。

特殊効果なしイベントなし、またフレーバーでのアピールもないという、地味なマネジメント一本の骨太なタイトルに、世のボードゲーマーがどう反応するのか、という一種の心配もありますが、私のようなユーロ愛好者のハートにはジャストな一作で評価は(当然)Positive。(こういうのがずっと安心して遊べるスタンダードなんですよね。)

地味渋な大人のユーロ。香り高いコーヒーでも啜りながらいかが。

GM13秋新作高天原の“アルパカバーガー”。

バースト&セットコレクションにメモリー少々。

アルパカをコアに動物を前面に出したフレーバーは非常に魅力的でアピールも十分。これにバーストやセットコレクションというメカニクスが搭載されており、また短時間で収束するのですからウケないわけがないですね。

この日も当ゲーム会参加者にヘビロテされており、都合4回ほど立卓されていた模様。

僕のようなフリーク視点からだと薄くて一味足りないためシビアにNegativeと評価しますが、安心して長くニーズに応えてくれそうで、今後も事あるごとにオープンゲーム会には持ち込むことでしょう。そういう役目を十全にこなしてくれる適任者でありアイテム。

GM13秋新作、東京ドイツゲーム賞を“枯山水”で受賞したことでも有名なイマジンゲームズの純新作“こびとのくつや”。4人。

こねくりまわしたセットコレクションの極北というのが第一印象。

カードゲームながらシンプルとは言い難い敷居の高さで、まあこれはゲーマーズゲームではないか、というのが僕の判断。

したがって誰にでもお奨めできるとは言い難い、立卓する場を選びかねない危険なタイトルではありますが、デザインの完成度は一級品で、個人的には今現在惚れ込んでいる国産同人の一作。

手番での四択という、その選択肢の多さがハードルを上げているのでしょうか。しかし分かってくるとこの四択という豊富な選択肢が多彩な戦略が考えられるこのタイトルではなくてはならない最低の選択肢数であり、実はそれほど煩雑なゲームではないことが分ってくるのですが…。

デザインの技巧に走るあまりゲーム本来の面白さから乖離してしまいかねない、そのギリギリならではの魅力というフリーク的視点も。Positive。今後も要注目のデザイナーかと。

最後に本作で〆。“ウナニモ”。7人。

お題から連想される言葉を列記、他のプレイヤーと被っていれば得点というシンプルなコミュニケーションゲーム。

シンプルすぎて味気ないという声もあるかもしれませんが、ゲーム会でコーヒーブレイク的に、または(ボックスアートのごとく)家族の団欒の場で、或いは広い間口を利用してオープンゲーム会での全体ゲームとして、と様々なロケーションに対応しうる汎用性の高い一作で、個人的印象は上々。

今回はバリアントとして用意されている制限時間1分ルールを適用。これはあった方がいいかと。

こういうコミュニケーションゲームは各人の意外な一面が垣間見えるのがまた面白いところですね。Positive

今後も出番が期待できるスタンダードな一作が、私のゲーム棚に眠っていたことが発見でき、収穫w


この他、“怪盗ジュエル”、“うそつき王国”もプレイしました。“うそつき王国”はルール把握が十全ではなくセッションになっていなかったので今後のプレイ予定タイトルに。

エッセンでも非常に高く評価されていたように、一部の国産同人は世界でも通用するレベルのものが少なくなく、今回も唸らされるようなタイトルに出会うことができたのが収穫でした。GMで買い込んだ他の注目タイトルも早くプレイしてみたいものです。

0 件のコメント:

コメントを投稿