2014/01/20

続・2013年印象に残ったタイトル

先日のエントリー、“2013年 印象に残ったゲーム13タイトル”に読者の方からコメントをいただきました。選に漏れたタイトルも紹介して欲しいというご意見を頂いたので、今回の記事のエントリーとなりました。

2013年に初めてプレイしたタイトルのうち、個人的に特異な位置に付けるタイトルを“印象に残った”という切り口で紹介させていただきます。面白かったタイトルのベストというわけでは必ずしもないので(とはいえ良作も多数入っているのですが)その辺り留意していただければ、と思います。


“マグナグレキア”(レオ・コロヴィーニ&ミヒャエル・シャハト/クレメントーニ/2003年)(1月5日UDAにてプレイ)

コロヴィーニとシャハトという異色の組合せで、本作がスルーするには勿体ない佳作であることもあって、この2人による共作が他にもあるのか気になる所。

ルールは難しいというわけではないのだけれど、独特でやや煩雑なためインストのハードルはする方も受ける方もやや高い。

鉄道ゲーム的なネットワーク構築と価値変動する町つまり株。これらの要素を収束性もそこそこに上手く纏め上げており、高い評価も頷ける。

視認性が悪いのが非常に残念。持っていても悪くない隠れた名作。この2人からこんなゲームが生まれたことが、どうにも不思議だった。

“グランドフロア”(デヴィッド・ショート/TMG/2012年)(2月23日UDAにてプレイ)

個人的にも贔屓にしている米国のパブリッシャー、テイスティミンストレルゲームズからのキックスターター発の新作を崩しました。

CEOとなって会社の経営をするワーカープレイスメントで、システムやアートワーク、コンポーネント等も含めたゲームとしての完成度は高く評価できるのですが収束性に難ありで、たしかこの日のセッションも5時間ほどかかっており、この内容にしては時間がかかり過ぎなのが惜しい。そしてそこからリプレイ欲求もイマイチ…というのが僕の本作の位置付け。

TMGの最近の大箱は収束性がやや気になります。“ホームステッダーズ”のあの納まりの良さを再度期待したいものです。

“バヌアツ”(アラン・エプロン/KND/2011年)(3月2日UDAにてプレイ)

透き通った青い海、抜けるような青空のもとで行われるドロッドロの観光客誘致合戦。

アラン・エプロンの才気が十分に発揮された、非常に独創的な変則的ワーカープレイスメントをメインに、各種要素が上手くまとめられた完成度の高い一作。

良いゲームですが晴れやかな舞台とは関係なく、胃にもたれるような爽快感の無さ(笑)に、プレイヤーは選ぶかも、という危惧も。

ルールブックまで公開された次作“マッシリア”にも非常に期待していたのですが、現在消息不明で発売が頓挫しているのが残念。(おそらく世に出ることはないでしょうね。)

“ウムコプフウントクラーゲン”(ステファン・ドラ/ベルリナーシュピールカルテン/1997年)(3月30日UDAにてプレイ)

程よいボリュームのダイスロール&競りの佳作で、さすがは手練れドラ。

こんな作品がポロポロと落ちているところがドイツゲームの懐の深さなんだなー、と。

17年も前のタイトルで当然ながら現在絶版。再版する価値もあるように思うんですけどね。

“マカバナ”(フランソワ・ハフナー/ティルシット/2003年)(3月30日UDAにてプレイ)

シンプルなバッティング(&陣取り)がメインメカニクスの、ドイツゲーム史に残る傑作のひとつ。

良質なユーロの好サンプルで、テーブルゲームが好きならやっておくことを強くお薦めします。(そしてここからユーロのなんたるかを考える最初の一歩になったならズブズブとユーロの沼に嵌っていくことになるかもしれませんね。)

流通やマーケティングの問題からか、作品本来の持つ面白さに見合った人気を勝ち得ていないように思われますが、理想的なファミリーゲームとしても成立しうる完成度の高さは抜群ではないかと。

“モンテカルロの夜”(ステファン・ドラ/ブラッツシュピーレ/1997年)(6月30日“越前市ボードゲームの会”にてプレイ)

またしてもドラ。(2000年前頃のドラは一体なんなんでしょう。)

非常に独特な競りゲームで、上手くインストできなかったこともあって、この時の印象はあまり良くなかったのをよく覚えています。

2013年度モヤモヤ大賞は本作か。この喉に小骨が刺さっているかのような感覚からもう一度プレイした上で作品の真価に迫りたいと思っています。

“ピサ”(ギュンター・ブルクハルト/アドルング/1999年)(8月17日UDAにてプレイ)

鬼才ブルクハルトの変則的トリックテイク。以前より欲しかったタイトルのひとつでしたが永らく絶版で入手できなかったタイトルのひとつをようやく手に入れることができました。

手札が配られた後で、最初にそのトリックのルールを決める、というのはある意味で行きついてしまった境地という気も。

ディールされた時点で、このラウンドは勝ちにいくのか、それともダメージを最低にするべく振る舞うのか、そういった視点も必要で、ゲームは深みのあるものといっていいかと。

“マーズニーズメカニクス”(ベン・ロセット/ネヴァモアゲームズ/2013年)(9月15日“越前市ボードゲームの会”にてプレイ)

米国のパブリッシャーからクラウドファンディングにて発売された、シンプルな株ゲーム。

アメリカ産のゲームにしては珍しいほどシンプルなシステムメインのタイトルで、そのシンプルさには淡泊という言葉さえ浮かんだものです。(そしてシャハトのデザインテイストをこの時想起していたことをよく覚えています。)

シンプルな株式変動に何枚かのテキストが載った特殊カードが絡み(この辺りはさすが米国産ですね)、各プレイヤーのマネジメントの力量が問われる良質なタイトル。

収束性も良く、今後のリプレイも考えたいところ。ちょっとシンプル過ぎるところが好みの分かれる点かもしれませんね。

“俗語論”(マリオ・パピーニ/ジョーキ/2010年)(10月13日UDAにてプレイ)

以前より気になっていた重めのゲーマーズゲームをようやく初プレイ。

非常に濃厚な背景設定のなかで行われる、アクションプロット&ワーカープレイスメントで、コンポーネントやアートワークは素晴らしいのですが、盤面のプレイヤー間の情報量が錯綜しており、まあ一見さんお断り的なハードルの高さは否めないか。

BGGでの評価も高く、悪いゲームではないのですが、こういったゲーマーズゲームは激戦区で、あえて本作を手に取る訴求力はいま一歩かな。

“ヒマラヤ”(レジス・ボネセ/ティルシット/2004年(10月13日UDAにてプレイ)

ティルシットからの(隠れた)名作その2。アクションプロットの何たるかがたっぷりと楽しめる非常に良質なユーロ。

他プレイヤーの動向に細心の注意を払いつつ、将来の自分の行動を今この時に決定しなければならない(つまり後戻りは一切許されない!)アクションプロットの厳しさを知るにも最適な一作か。

いやはや面白いゲームですよ。

ボネセといえば近作“12季節の魔法使い”の人なんですよね、意外!

“ドラダ”(ルディ・ホフマン/ラベンスバーガー/1988年)(12月21日UDAにてプレイ)

ハバから再版リメイクされていた“お宝はまぢか”で本作には既に慣れ親しんでいた感もありましたが、この日初めて本家をプレイ。

4つのコマを管理する、ダイスロールでの変形すごろく。

シンプルながらしっかりジレンマもあって今プレイしても十分楽しめる良作。

アブストラクトのようなアートワークの本作よりもフレーバーに魅力的なハバリメイク版の方がお奨めではありますがw



以上11タイトルを駆け足で紹介させていただきました。こうして一年を振り返ってみると我ながらいろんなゲームをやっていたんだな、と再確認、再発見させられますねw

というわけで2014年もたっぷりとテーブルゲームを楽しみたいものです。再見!

2 件のコメント:

  1. ハイライフ(@high_life_BSW)2014/01/22 10:27:00

    記事拝見しました。
    持ってるゲーム、注文したゲーム、遊んでるのを見たことあるゲーム、
    と色々でした。
    面白いゲームって色々ありますね。
    これからも更新楽しみにしています。

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    1. コメントを頂けるとこちらもブログを続けていくモチベーションになります。
      これからも宜しければ是非こちらへ足を運んでください。

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